福井のイルカはなぜ人をかむのか。どうすれば防げるのか。酒井麻衣・近畿大准教授(動物行動学)に聞いた。
イルカの行動を変えさせた要因
ミナミハンドウイルカは好奇心が旺盛だ。群れからはぐれた個体が社会的な接触や刺激を求めて人に近づくことがある。その度合いには個体差があるが、福井の個体は特に人への執着が強い。
人に近づくと、相手をしてくれたり、慌ててバタバタしたりして、反応が面白いのだろう。面白いので、人に近づく回数が増えていく。この過程を行動分析学では「正の強化」と呼ぶ。遊泳者との度重なる接触が「強化」を起こし、イルカの行動をエスカレートさせたと考えられる。
- 【関連】「イルカにかまれた」3年で53人負傷 警察海保が記録 同一個体か
- 【動画】海水浴場で3人連続かみつき、負傷者が語るノコギリ状の突起の正体
撮影された動画を見る限り…